青森県三戸郡階上町赤保内寺下13-1
TEL:0178-88-3987

階上早生そば /Hashikami-Wase soba

観音茶屋・東門でお出ししている「そば」は、粘りが強く、風味豊かと定評の「階上はしかみ早生わせ」を使用しています。

階上早生

青森県から岩手県にかけての太平洋岸は、夏になると「やませ」と呼ばれる冷たい風が吹く地域です。
この「やませ」のある気候により、この地域は稲作に適さず、繰り返し冷害・凶作に見舞われ、古くから痩せた土地でも生育するソバの栽培がおこなわれてきました。

明治35年(1902年)から大正2年(1913年)にかけても連続して冷害が発生し、その中でも特に大正2年の凶作は北海道・青森県で被害が大きく、「大正2年青森県凶作救済誌」によると、天候不順により、青森県三戸郡では稲の作況指数はわずか「10」だったそうです(平年値を100とし、94以下で「不良」とされる)。そんな中でも、階上町(当時は階上村)で栽培されていたソバの在来品種は寒さに強く、相当の収穫量があり、多くの人々の命を繋ぎました。

当時の青森県農業試験場はこのソバの品種に注目し、種子を取り寄せて試験栽培したところ、風味も良く、優れた成績であったことから大正7年(1913年)に「階上早生」と命名。昭和8年(1933年)には青森県で唯一のソバの奨励品種に採用されました。
ソバが奨励品種に採用されるのは、これが日本で初めてでした。現在では青森県以外でも広く栽培されています。

階上早生は粘りが強く、風味豊かな「そば」として人気があります。
中でも発祥の地であり、地名を品種名に冠された階上町では平成25年(2013年)に「階上早生階上そば」の商標登録も行い、町をあげて食文化の発信を行っています。